STAR面接とは?メリットや質問例、実施するうえでの注意点【採用面接】 | ダイレクトリクルーティング・オファー型新卒採用はGlobalCareer.com 読み込まれました

    STAR面接とは?メリットや質問例、実施するうえでの注意点

    面接で質問を行った際、応募者に対してどのように深掘りすれば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。そんなときに有効な手法といえるのがSTAR面接です。

    STAR面接は、採用面接において活用されるメソッドの一つです。経験の少ない面接官でも実践しやすく、応募者の本音を引き出しやすいことがメリットとされます。今回は、STAR面接の基礎知識や実施するメリット、質問の方法、注意点など、さまざまな情報をご紹介します。採用面接を実施予定の担当者様は、ぜひ参考にしてみてください。

    STAR面接とは

    STAR面接とは、応募者の過去の経験について掘り下げる質問を行う面接手法のことです。行動面接とも呼ばれることがあります。STARとはSituation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の頭文字をとったものです。応募者の過去について、上記の4要素の視点から掘り下げていくことが主な特徴となります。  

    STAR面接を実施するメリット

    STAR面接を実施すると、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。こちらでは、STAR面接の主なメリットをご紹介します。

    応募者の本音を引き出しやすい

    STAR面接では、一つの出来事に関して複数の質問を重ねて深掘りしていきます。応募者の話す内容に嘘や誇張が含まれにくくなり、どのような人物か本質を見抜きやすいことが大きなメリットです。

    応募者は面接に備えて質問内容を予想し、合格につながるような回答を用意してくることも珍しくありません。回答内容に本音と異なる内容が含まれてしまうこともあり、応募者の人柄を見極めるのが困難になってしまうこともあります。STAR面接の手法を活用することで、応募者の本音を引き出しやすくなるでしょう。ときには、応募者自身が気づいていなかった本音まで引き出せることもあり、自己理解の促進につなげられることもあります。

    面接官の評価基準を揃えられる

    STAR面接では面接の流れや質問の仕方、重視したいポイントがほぼ決まっています。決められた手順に従って面接を行うため、面接官が複数人いても面接内容にばらつきが出にくいことが魅力です。面接官のスキルに差がある場合も、STAR面接なら安定した評価を行えるでしょう。

    また、STAR面接は採用活動の経験が少ない面接官でも実施しやすいテクニックです。STAR面接は進め方や質問内容が決まっているため、経験の浅い人でも安心して面接官を担当しやすいでしょう。

    自社の求める人物に当てはまるか検討しやすい

    STAR面接では、過去の具体的な出来事に基づく応募者の思考や行動を把握できます。一問一答で回答を聞くパターンと比較すると、価値観や行動の傾向などを判断しやすくなるでしょう。採用後の働き方や仕事に対する考え方をイメージしやすくなる点もメリットです。ストレス耐性やトラブル時の対応能力なども見極めやすくなり、入社後のミスマッチ防止につなげられるでしょう。

    STAR面接の質問例と応募者からの回答を掘り下げるポイント

    STAR面接ではS(状況)→T(課題)→A(行動)→R(結果)の順番に質問を進めていきます。以下では、項目別の具体的な質問例や、深掘りするコツなどを解説します。

    S(Situation):状況に関する質問

    応募者の過去の状況や環境に関する質問を行います。行動の裏にある応募者の思考パターンを読み解くためには、状況を整理して背景を把握することが必要です。当時の状況を具体的に描写してもらいましょう。

    また、同じ状況でも役割が違えば行動内容や思考なども変わってきます。応募者の当時の役割を明確に聞き出すことも大切です。

    【質問例】

    • 達成が難しいプロジェクトに取り組んだことはありますか。

    • チームではどのような役割をしていましたか。

    • どうして自分にその役割を任されたと思いますか。 

    T(Task):課題に関する質問

    前のステップで挙がった当時の状況下において、直面した課題を質問します。応募者が当時どのような課題を抱えていたのか、課題の解決がなぜ重要と感じたかなどを聞きましょう。困難な状況においてどのように行動・思考したかを知ることで、応募者の課題解決能力を見極める手掛かりができます。

    【質問例】

    • そのプロジェクトが抱えていた課題はありますか。

    • そのチームで役割を果たす中で課題に感じたことは何ですか。

    • 一番大変に感じた業務はなぜあなたにとって大変だったか、理由を教えてください。

    A(Action):行動に関する質問

    課題に対して、実際に何を考え、どのような行動をとったのかを質問します。行動のきっかけや、行動に至るまでに考えたことなどを聞きましょう。具体的な行動の内容を聞くことは、応募者の行動特性を把握するのに効果的です。

    また、行動するうえで応募者が活用した知識や技術を確認することもできます。主体性や協調性などの見極めにもつながるでしょう。

    【質問例】

    • 課題を解決するために具体的にどのような行動をしましたか。

    • 課題を解決するためにチームへどのように働きかけましたか。

    • 大変に感じた業務をこなすために何か工夫したことはありますか。

    R(Result):結果に関する質問

    行動した結果から何を学び活かせているか、質問を通して確認します。行動の結果を具体的に説明してもらいましょう。「目標達成の度合いを○○%で表してください」など、結果についての自己評価を数値や具体的な事象で表してもらうこともおすすめです。

    このような質問を行うことで、応募者が結果をどのように受け止め、改善に活かせる人材かを理解しやすくなります。結果を糧に改善できる人なら、入社後の業務で失敗してしまった後も、自分の成長につなげられる素質があるといえるでしょう。

    【質問例】

    • 課題を乗り越えて学んだこと、得たことを教えてください。

    • 自分自身が生んだ成果は何ですか。

    • 大変に感じた業務を乗り越えて何か改善したことはありますか。

    STAR面接を実施する際の注意点

    STAR面接を成功させるためには、事前準備をしっかりと行うことが重要です。面接中の姿勢や評価の仕方にも気をつけましょう。以下では、STAR面接を実践するときに注意したいポイントをご紹介します。

    求める人物像や質問事項を事前に明確にしておく

    STAR面接に取り掛かる前に、自社がどのような資質を持った人物を求めているかを明確にしておきましょう。STARの要素ごとに質問事項を用意しますが、質問項目は求める人物像に基づいて作成することがおすすめです。

    また、質問事項を設定したら、その質問の評価項目も作成しておきます。面接官が複数人いる場合は、特に認識のずれを防ぐことが重要です。判断基準を定めておき、事前に全員で共有しましょう。 

    圧迫面接にならないように注意する

    STAR面接のデメリットといえるのが、気をつけていなければ圧迫面接のようになってしまうことです。面接の際は、応募者の過去について深く掘り下げて内面に迫っていきます。応募者が回答するごとに「どうしてそう思いましたか?」「具体的にどんなことをしましたか?」などと質問を重ねていくと、人によっては圧迫感をおぼえてしまう可能性があります。応募者が必要以上に緊張せず、言いたいことが言える雰囲気を作るように心がけましょう。例えば、企業側が一方的に質問するのではなく、応募者の聞きたいことに答える時間を作ることがおすすめです。

    面接官が質問するときの言い方も、高圧的にならないように配慮が必要です。相手が答えに詰まってしまったときは、寄り添う姿勢を見せると良いでしょう。「もしそのとき違うやり方で進めていたらどんな結果が出たと思いますか?」など、視点を変えられるような質問をすると、応募者もスムーズに答えられるようになる可能性があります。

    行動が伴った事実を評価する

    STAR面接では過去の行動に伴う事実を評価することも重要なポイントです。応募者が過去の行動に対して「○○したかった」という意見や意識を持っていたとしても、実際にとった行動は異なる場合があります。評価するうえでは、応募者が意識したことだけでなく、行動も伴っているかを見ることが大切です。例えば、課題を解決するために意識していた内容にとどまらず、解決に向けてどのように行動したかを聞くと良いでしょう。主観的な意見ではなく事実を深掘りすることで、面接官も客観的な判断を行いやすくなります。

    STAR面接を実施して応募者の本音を確かめましょう

    STAR面接は応募者への深掘りを行うことで、本質を見極めやすくなる手法です。S(状況)→T(課題)→A(行動)→R(結果)の決められた流れに沿って面接を進められるため、面接官のスキルにかかわらず導入しやすいこともメリットとなります。実施の際は質問項目や評価項目を決め、採用担当者間で認識共有しておくことが大切です。応募者の意見を聞く姿勢を心がけながら評価を行っていきましょう。